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  1. 教材
  2. 公衆衛生マイクロレクチャー

予防と健康管理

https://jrckicn.repo.nii.ac.jp/records/651
https://jrckicn.repo.nii.ac.jp/records/651
e9b84b44-fb25-48d5-85f0-bc49291a7bd8
名前 / ファイル ライセンス アクション
PH03.mp4 動画 (278.2 MB)
license.icon
PH03 テキスト (353.5 kB)
license.icon
Item type 教材 / learning material(1)
公開日 2019-09-01
タイトル
タイトル 予防と健康管理
タイトルのヨミ
その他のタイトル ヨボウ ト ケンコウ カンリ
言語
言語 jpn
キーワード
主題Scheme Other
主題 疾病自然史
キーワード
主題Scheme Other
主題 集団検診
キーワード
主題Scheme Other
主題 健康管理
キーワード
主題Scheme Other
主題 ライフスタイル
キーワード
主題Scheme Other
主題 ヘルスプロモーション
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 natural history of disease
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 group medical exam
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 health care
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 lifestyle
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 health promotion
資源タイプ
資源タイプ learning object
作成者 守山, 正樹

× 守山, 正樹

en MORIYAMA, Masaki

ja 守山, 正樹

ja-Kana モリヤマ, マサキ



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内容記述
内容記述タイプ Other
内容記述 皆さん、こんにちは。今回のテーマは予防/健康管理とは何か、その意味・考え方・基本をお話しします。
最初の授業で「人々、時間、生活」の意識化をお話しました。今回は過程(プロセス)について三つの意識化から始めます。

1.過程の意識化

1)「疾病の自然史」の意識化

 臨床医は目前の患者さんと疾病自体に注目します。一方、公衆衛生医が注目するのは「疾病の自然史」です。疾病には過程があります。「発症する前」はどうだったでしょうか。また「疾病の後」は? どう回復するのでしょうか? 「疾病の全過程:自然史」を意識することで、予防と健康管理への途が見えて来ます。

2)要因・原因の意識化

 過程に注目する公衆衛生医にとって、次に大切なのが「疾病の要因・原因」の意識化です。18世紀、感染症の病原体が発見されるまで、疾病の要因・原因に対する理解は、ミアズマ説など前科学的な段階にありました。19世紀、病原体の発見にともない、新たな理解が生まれます。19世紀末から20世紀中期の公衆衛生学者、Winslowは、単要因ではなく、多要因が関わって疾病が発症することを示しました。例えば結核は、単要因「結核菌」だけでなく、多要因「環境・宿主の栄養状態・免疫等々」が関わって発症します。この考えが「多要因説」です。20世紀後半、生活習慣病の増加につれ「多要因中、生活と結びつき、危険度の高いのはどれか」「どの要因を予防したら疾病のリスクが減るか」などの思考が一般化しました。「危険因子、リスク要因、Risk Factor」とも言います。

3)予防の意識化

 臨床医は目前の患者さんの疾病につき、診断と治療に注意を集中します。一方、公衆衛生医は、疾病や障害が起こらないように、予防を考えます。疾病の自然史でいうと、どの時点でどの予防(一/二/三次)が有効でしょうか。

 一次予防:疾病の自然史の早期、疾病が起こる前に予防するのが「一次予防」。①ヘルスプロモーションや ②健康教育により 人々が危険因子に曝露する機会を減らすことが大切です。またある感染症を③特異的予防できるよう、予防接種をすることは、感染症対策の中心になっています。

 二次予防:疾病が起こり始める過程に着目し、早期発見/早期治療するのが「二次予防」。感染症(結核など)や生活習慣病(循環器疾患やがんなど)の集団検診は二次予防です。メタボリックシンドロームに対する特定健康診査も含まれます。

 三次予防:疾病の自然史の後半に注目し「①すでに発症した疾病による活動制限を最小にする」「②患者を社会に復帰させるリハビリテーションを早期に始める」ことが「三次予防」です。

2.健康管理の過程

 「疾病の自然史・リスク要因・予防」などの考え方を総合し、「健康を保ち、病気を予防し、有意義な生活を確保する活動」が「健康管理」です。健康管理を二方向から考えます:A集団検診から始まる健康管理、そしてB人々自身が普段の生活の中で行う自己管理としての健康管理。

A 集団検診からはじまる健康管理

 集団検診をきっかけに行う健康管理は、乳幼児から高齢者まで、健康管理活動の基本です。同義語:「集団検診」はがんや結核など疾病の早期発見を「健康診断(健康診査、健診)」は健康度チェックをめざします。

 集団検診では、疾病を早期発見できる一定の検査項目につき、検査を行い、異常値を示す人を選び出します。検査で異常値を示す人を選び出す(screen)ことをスクリーニング(ふるい分け)といいます。厳しい基準の検診は、細かい目の“ふるい”に例えられます。ふるいの目が細かいと、わずかに異常があっても“ふるい”を通り抜けられず、残ってしまいます。一方ゆるい基準の検診は、粗い目の“ふるい”に例えられます。目が粗いと、わずかな異常は“ふるい”を通り抜けてしまい、見逃されます。

 スクリーニング(ふるい分け)の際の検査項目値、“ふるい”の「粗さ/細かさ」を「ふるい分け水準、スクリーニング・レベル、カットオフ値」などと言います。試験もスクリーニングの一種です。カットオフ値が100点満点の90点なら、殆どの学生は不合格になるでしょう。一方カットオフ値が30点なら全員が合格し、成績不良者が見逃されます。

 実際の疾病の有無と、スクリーニングでの異常の有無(陽性/陰性)を組み合わせることで、スクリーニング検査の結果は4つ(a,b,c,d)に分類されます。
 a 真陽性:疾病あり & スクリーニング陽性(+)
 b 偽陽性:疾病なし & スクリーニング陽性(+)
 c 偽陰性:疾病あり & スクリーニング陰性(-)
 d 真陰性:疾病なし & スクリーニング陰性(-)

 以上4つの値からスクリーニングの性能・有効性を表わす以下の指標を計算できます。

・感度 = 疾病あり中,スクリーニング陽性の者の率 = a/a+c
・特異度 = 疾病なし中,スクリーニング陰性の者の率 = d/b+d
・偽陰性率 = 1- 感度 = c/a+c
・偽陽性率 = 1- 特異度 = b/b+d
・検査後確率=陽性反応適中度=スクリーニング陽性中,疾病ありの者の率 = a/a+b
・尤度比 = 感度/(1- 特異度)= (a/(a+c))/(b/(b+d))
*尤度比とは「疾病ありの人が疾病なしの人に比べ、検査でどれくらい陽性と判定されやすいか」尤度比が高いほどその検査は実用的だと言えます。

・理想的な検査とトレードオフ

 感度と特異度が共に1.0ならば理想的なスクリーニングです。しかしそんなスクリーニングは存在しません。また同一の検査法を用いる場合、カットオフ値を変化させると、感度と特異度はトレードオフの関係(一方が上がると他方が下がる)を示します。これを図示したのがROC曲線です。ROC曲線を描く場合、グラフの横軸には(1-特異度)または偽陽性率を、縦軸には感度をとります。カットオフ値を変化させると、このような曲線が描けます。

 検査法を変えると別なROC曲線が描けます。曲線を比較することで、異なる検査法の性能を比較できます。左上に曲線が位置する検査の方が、感度も特異度も優れていると判断します。

 集団検診による健康管理では、検診の結果選ばれたスクリーニング陽性者に対し、再検査、精密検査、健康相談、経過観察、要治療などの措置がなされます。並行して、活動制限、休業、生活指導、入院などの生活上の規制措置がなされます。

B 自己管理としての健康管理

1)Lifestyleの発見

 検診の有無に関わらず、人々はそれぞれに毎日の生活を生きています。生活は健康にどう影響するでしょうか。日本では貝原益軒の養生訓に表れているように、江戸時代から“暮らしと健康”に関心が持たれていました。しかし乳幼児期から青年期・壮年期に至る生活習慣・Lifestyleの積み重ねが、その後の健康や疾病罹患に影響を与えることが、明確に認識されたのは、20世紀になってからです。LifeとStyleから成る言葉Lifestyleを最初に用いたのはオーストラリアの心理学者Adlerです。「子供時代の早期に確立され、それ以後はその個人の反応と行動を制御する基本的な特徴」と理解されます。
 1965年、米国のアラメダ郡でカリフォルニア大学のBreslowによる疫学調査が開始され、6928人の住民の生活と健康が20年後まで追跡されました。その結果、7つのLifestyle(Alameda 7)が健康に影響することが実証されました:①喫煙をしない、②過度の飲酒をしない、③毎日朝食、④適正な睡眠、⑤定期的に激しい運動、⑥適正体重を保つ、⑦不必要な間食をしない。さらに関連の調査で、対人関係網・Social networkがしっかりしている人は、疾病にかかりにくいことが証明されました。なおわが国での同様の追跡研究としては、福岡県久山町で1961年から行われている久山町研究があります。。

2)目前の人に働きかける健康教育

 目前の人のLifestyleや行動を健康にしようとする教育的な働きかけが、健康教育です。出発点は20世紀前半に表れたKAPモデル、人々に「知識knowledgeを普及・教育し、態度attitudeを変え、習慣practice(または行動behavior)を変容させること」という考え方です。初期は「そんな生活をしていると早死にしますよ」など脅かす形の健康教育が主流でした。現在では、コミュニケーションを重視し、楽しいゲーム的な要素や、参加的な要素も取り入れられています。

3)人々や社会に働きかけるヘルスプロモーション

 第二次世界大戦後、WHOは「Health for all:世界中の全ての人々に健康」を目標に掲げました。この目標に向かう国際戦略としてまず現れたプライマリ・ヘルス・ケア1978年は「健康教育/食糧/飲料水/予防接種/簡単な治療/必須医薬品」など「健康を支える保健医療の基盤整備」を重視しました。その後1986年「人や社会への水平的な働きかけ」として現れたのがヘルスプロモーションです。カナダ・オタワでのWHO国際会議で採択された「ヘルスプロモーションのオタワ憲章」により世界に広まりました。オタワ憲章の基本戦略「Advocate、Enable、Mediate」には「唱導、能力の付与、調停」などの日本語が当てられています。活動内容には①健康的公共政策の確立、②支援的環境の創造、③コミュニティ活動の強化、④個人スキルの開発、⑤保健医療サービスの見直し、が挙げられました。

4)健康日本21、日本版ヘルスプロモーション

  日本版ヘルスプロモーションとしては、国民健康づくり運動「健康日本21」があります。西暦2000年に第1次計画が開始され、10年ごとの改訂を目指しました。基本的方向性「壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸、生活の質向上」のもと、Lifestyleが深く関係する9分野(①栄養食生活、②身体活動運動、③休養・こころの健康づくり、④たばこ、⑤アルコール、⑥歯の健康、⑦糖尿病、⑧循環器病、⑨がん)で具体的な数値目標を掲げました。1次計画の評価に基づいて2013年より展開され始めた「健康日本、第2次計画」では、基本的方向性に「健康格差の縮小」が加えられました。

キーワード

予防、健康管理、疾病の自然史、病原体発見、ミアズマ説、Winslow、単要因、多要因説、危険因子、リスク要因、Risk Factor

一次予防、ヘルスプロモーション、曝露、特異的予防、予防接種、二次予防、早期発見、早期治療、生活習慣病、集団検診、メタボリックシンドローム、特定健康診査、三次予防、リハビリテーション

健康管理、健康診断、健康度チェック、スクリーニング、ふるい分け、ふるい分け水準、スクリーニング・レベル、カットオフ値、真陽性、偽陽性、偽陰性、 真陰性、スクリーニングの性能・有効性、感度、特異度、偽陰性率、偽陽性率、検査後確率、陽性反応適中度、尤度比

理想的な検査、トレードオフ、ROC曲線、スクリーニング陽性者、規制措置

自己管理、Lifestyle、貝原益軒、養生訓、Adler、Breslow、疫学調査、Alameda 7、対人関係網、Social network、久山町研究、健康教育、KAPモデル、WHO、Health for all、プライマリ・ヘルス・ケア、保健医療基盤整備、水平的な働きかけ、ヘルスプロモーション、オタワ憲章、Advocate唱導、能力の付与Enable、調停Mediate、健康的公共政策、健康日本21、国民健康づくり運動、、数値目標、健康格差

(守山正樹)
出版年月日
日付 2016-08-12
日付タイプ Issued
権利
権利情報 ©2016 守山正樹
関連サイト
識別子タイプ URI
関連識別子 https://social-med.blogspot.com/2014/03/ph03.html
関連名称 公衆衛生マイクロレクチャー(守山正樹)
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 video/mp4
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ AM
見出し
大見出し 公衆衛生マイクロレクチャー ; PH03
見出し
大見出し Public health micro lectures ; PH03
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Ver.1 2023-06-19 13:57:27.258780
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