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  1. 教材
  2. 公衆衛生マイクロレクチャー

疫学の基本2 : 因果関係・危険度

https://jrckicn.repo.nii.ac.jp/records/642
https://jrckicn.repo.nii.ac.jp/records/642
1f7fc9bb-d28e-454b-9ab1-4981b12a655e
名前 / ファイル ライセンス アクション
PH12.mp4 動画 (229.0 MB)
license.icon
PH12疫学の基本2因果関係・危険度.pdf テキスト (311.5 kB)
license.icon
Item type 教材 / learning material(1)
公開日 2019-09-01
タイトル
タイトル 疫学の基本2 : 因果関係・危険度
タイトルのヨミ
その他のタイトル エキガク ノ キホン 2 : インガ カンケイ キケンド
言語
言語 jpn
キーワード
主題Scheme Other
主題 因果関係
キーワード
主題Scheme Other
主題 交絡因子
キーワード
主題Scheme Other
主題 相対危険度
キーワード
主題Scheme Other
主題 寄与危険度
キーワード
主題Scheme Other
主題 オッズ比
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 causal relationship
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 confounding factor
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 relative risk
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 contributory risk
キーワード
言語 en
主題Scheme Other
主題 odds ratio
資源タイプ
資源タイプ learning object
作成者 守山, 正樹

× 守山, 正樹

en MORIYAMA, Masaki

ja 守山, 正樹

ja-Kana モリヤマ, マサキ



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内容記述
内容記述タイプ Other
内容記述 みなさんこんにちわ。今回は、疫学の論理の根幹である、原因と結果との関連、因果関係についてお話します。

1 因果関係の基本

1)因果関係とは何か

 疫学で常に意識すべきは、原因と結果の関連です。疫学者MacMahonによれば、因果関係は「2つの範疇に属する種々の事象(又は性質)があり、片方の事象の頻度または性質の変化に続き、他方の事象の頻度または性質が変化する関係」とされます。

 また、2つの(範疇の)事象間の相互の関係は、a統計的に関連のないもの、b統計的に関連しているものの二つに分かれ、bはさらに、b1因果関係なしに関連しているものとb2因果関係のあるもの、に分かれます。

2)統計的関連性と因果関係

 過去10年間のサンフランシスコのすべての火事のデータから、個々の火事(A)における消防車数(B)と損害額(C)の統計的関連性を調べた人がいます。この場合「消防車数(B)と損害額(C)の間」には顕著な統計的関連性が見られました。ではこの統計的関連性は、因果関係でしょうか。「消防車数が多いことが原因になって、結果として損害額が増えた」と言えるでしょうか。よく考えるとこれは変な話です。よって「統計的な関連性」があったとしても、それがすぐに「因果関係」とは言えないことが分かります。

 因果関係があるためには“一方が変化すれば、もう一方も変化する”が必要です。この定義に従うと、統計的に関連しているもののうち、ごく少数にしか因果関係は成立しません。この定義に合わない多数の統計的関連は、二次的関連と呼ばれます。

 因果関係のない統計的関連は、通常、2つの事象の間の関連が、第3の事象に関連しているために生じます。例えば事象Aは、事象BおよびCの両方に因果関係があるとすると、BとCの間には統計的な関連が生まれます。しかしBを変えることによってC、Cを変えることによってBが変わるわけではなく、BとCとの関連は因果関係ではありません。

3)記号的表現と交絡因子(交絡変数)

 因果関係、原因と結果の関係は、両者を矢印でむすび「A→B」のように、記号的に表現することが可能です。
  「原因→結果」
  「独立変数→従属変数」
  「調査対象とする曝露要因→調査対象とする疾病」
 しかし、上記の矢印による表現は、実際の疫学調査においては、やや単純過ぎます。たとえば「喫煙→肺がん」「高塩分摂取→高血圧」など書いてしまうと、実際の複雑さが反映されません。現実には、原因と結果の双方に影響を与える因子・変数が存在する場合がほとんどです。より現実に近い関連性は、たとえば以下のように表現されます。

       年齢                       年齢
 喫煙 ➚ ➔   ➘ 肺がん    高塩分摂取 ➚ ➔  ➘ 高血圧

 ここに示した年齢のように、従属変数と独立変数の両方に(肯定的または否定的に)相関する外部因子・変数を、交絡因子(または交絡変数)と呼びます。交絡因子が存在すると、真の因果関係が明らかでなくなるため、交絡因子を調整する、すなわちその好まざる影響を可能な限り除去することが大切です。たとえば疫学調査でデータを集める際に、対象者を特定の年齢幅の人々に限定したり、データを分析する際に、年齢の影響を統計計算の過程で調整することが、行われます。

2 因果関係の判定基準

 さて、いったん統計的に関連があることが分かった後、それが因果関係、原因-結果の関係であるかどうかは、どうしたら決められるでしょうか。統計的な関係が強固であれば、因果関係の可能性は高くなりますが、それだけでは足りません。1964年、米国公衆衛生局長諮問委員会の報告書(Smoking and Health、第3章 20頁) が示した以下5つの判定基準がよく知られています。

 ①関連の強固性 strength: 関連性が強ければ強いほど、“Aが無いときのBの出現率”に比べて“AがあったときのBの出現率”が高ければ高いほど、その関連が因果関係である可能性が高くなります。
 ②関連の一致性 consistency: 異なる“集団・地域・国・時代”でも同様の関連性が認められるか/関連性が一致するか。
 ③関連の時間性 temporality: 原因→結果の順になっているか。原因と考えられる事象は、結果と考えられる事象よりも先に起こらなければなりません。
 ④関連の特異性 specificity: 「原因のある所に結果がある:結果のある所に原因がある」が、常に成立する必要があります。
 ⑤関連の整合性 coherence: これまでに確立されている知識や理論と整合すること、矛盾しないこと。

 因果関係の判定基準はこの他にも多くのものが知られており、教科書によっても表現が異なります。Bradford Hillによる1965年の判定基準“The Environment and Disease: Association or Causation?”には、上記5項目に加え、以下が含まれています。
  ・Biological gradient:用量-反応関係を意味します。
  ・Plausibility:説得性、整合性と似た考え方です。
  ・Experiment:実験的に根拠を示す。
  ・Analogy:類似の要因を考慮できること。


3 因果関係の数値表現

1)4分表の考え方

 さて、上記の5基準が当てはまる統計的関連性は「因果関係である可能性がとても高い」「因果関係らしい」と判断されます。このようなとき、さらに一歩進んで、その関係が因果関係であることを数値で検討するのが、4分表の考え方です。以下、Marvin Sasserの本に従って説明します。
 表のマス目は「ある仮説的原因:要因への曝露(独立変数)」と「ある仮説的結果:疾病への罹患(従属変数)」とが一方のみ、あるいは双方ともに生じる場合の、集団における頻度を表します。各マス目のa,b,c,dは人数をあらわします。
 疫学の主要な研究方法、コホート研究、症例対照研究、介入研究のそれぞれで行われる基本的な比較は、全てこの4分表で表せます。

 さて上記の表では「仮説的原因・要因曝露」を行に、「仮説的結果・疾病罹患」を列に示します。上記の3研究は表の記入順序が異なります。

2)コホート研究の場合

コホート研究の出発点は、喫煙有り、喫煙無しなど、仮説的原因・要因曝露による2群の設定です。たとえば、20歳代の健康な若者について、喫煙有り群千名、喫煙無し群千名を設定します。表のa+b、c+dの欄には、数値1000を書き込みます。研究の開始時点では、まだ誰も肺がんにかかっておらず、aとcに書き込める数値はありません。さて、ここから始め20年間追跡した結果、喫煙群からは20名、非喫煙群からは2名の肺がん患者が発生しました。肺がんの罹患率を計算すると、喫煙群では20/1000、非喫煙群では2/1000となりました。相対危険度は、両群の罹患率の比、10となります。寄与危険度は、両群の罹患率の差、18/1000となります。

3)症例対照研究の場合

 症例対照研究は、症例(患者)群と対照(患者ではない人:健康者など)群を比較する研究です。たとえば肺がんの原因を調べるのであれば、肺がんの各症例に対し、対照者を選びます。こうして調査開始時に症例群100名、対照群100名を設定しました。a+c、b+dの欄に100を書きます。コホート研究では10年20年と追跡しないと、表に数値を書き込めませんでしたが、症例対照研究では時間の経過を待つ必要はなく、すでに生じている過去の出来事(以前、喫煙していたか否か)を調査で思い出してもらえれば、すぐに数値が得られます。症例(患者)100人中、喫煙者は80人、非喫煙者は20人でした。
 (注)ここでオッズを説明します。オッズとは「ある事象が起こる確率と起こらない確率の比」です。上記の例だと、喫煙という事象が起こる確率は80/100、起こらない確率は20/100、よって確率の比は(80/100)/(20/100)、すなわち80を20で割り算して、オッズは4です。
 さて先ほどの話の続きですが、対照者では100人中、喫煙者は30人、非喫煙者は70人でした。オッズは30/70で0.429となります。これで症例群と対照群のそれぞれについて、オッズが計算できました。この二つのオッズの比がオッズ比です。(80/20)/(30/70)で9.33となります。症例対照研究の場合は、コホート研究と異なり、罹患率を求められないため、厳密にいえば、相対危険度も寄与危険度も計算できません。では、上記で計算されたオッズ比とは何でしょうか。症例対照研究の場合のオッズ比は、相対危険度の近似値とされます。

4)介入研究の場合

 介入研究は“人為的実験的に要因曝露を行うコホート研究”です。4分表の用い方は、先ほどお話したコホート研究とよく似ていますので、計算方法は省略します。異なる点は、要因への曝露を研究者が行う点です。

 さて今日は因果関係を中心にお話しました。次回は疫学の最後として、主な研究方法の考え方をまとめます。

キーワード
  原因と結果、因果関係、二つの範疇、統計的関連性、二次的関連、第3の事象、記号的表現、交絡因子、独立変数、従属変数、因果関係の判定基準、関連の強固性、関連の一致性、関連の時間性、関連の特異性、関連の整合性、4分表、仮説的原因、要因曝露、症例群、対照群、オッズ、オッズ比、相対危険度、寄与危険度
出版年月日
日付 2016-08-27
日付タイプ Issued
権利
権利情報 ©2016 守山正樹
関連サイト
識別子タイプ URI
関連識別子 https://social-med.blogspot.com/2014/08/ph1223.html
関連名称 公衆衛生マイクロレクチャー(守山正樹)
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 video/mp4
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ AM
見出し
大見出し 公衆衛生マイクロレクチャー ; PH12
見出し
大見出し Public health micro lectures ; PH12
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Ver.1 2023-06-19 13:57:11.161465
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