{"created":"2023-06-19T13:30:41.745482+00:00","id":632,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"10263710-546e-42f0-90aa-5362a1a3f0a6"},"_deposit":{"created_by":14,"id":"632","owners":[14],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"632"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:jrckicn.repo.nii.ac.jp:00000632","sets":["17:40"]},"author_link":["1289"],"item_3_alternative_title_1":{"attribute_name":"タイトルのヨミ","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"ショウレイ タイショウ ケンキュウ"}]},"item_3_creator_2":{"attribute_name":"作成者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorAffiliations":[{"affiliationNameIdentifiers":[{"affiliationNameIdentifier":"","affiliationNameIdentifierScheme":"ISNI","affiliationNameIdentifierURI":"http://www.isni.org/isni/"}],"affiliationNames":[{"affiliationName":"","affiliationNameLang":"ja"}]}],"creatorNames":[{"creatorName":"MORIYAMA, Masaki","creatorNameLang":"en"},{"creatorName":"守山, 正樹","creatorNameLang":"ja"},{"creatorName":"モリヤマ, 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症例対照研究の手順\n\n1)疾病を決める\nまず原因究明を行なう疾病を決めます。診断基準を確認し、その疾病の症例(患者さん)の探し方を考えます。\n\n2)症例を集める\n・病院で: 特定の病院を受診するその疾患の患者を中心に、症例を集めることが比較的容易です。しかし特定の病院に限ると、患者の選択が偏るかもしれません。\n・地域で: ある地域や集団から発生した全症例を登録し、そこから無作為に症例を選らび、症例群とすることも考えられます。\n\n3)対照を集める\n・病院で: 症例を集めたのと同じ病院の入院患者や外来受診者から「その疾患にかかっていない人」を集めることが考えられます。\n・地域で: 症例を選んだのと同じ地域の健康な人々を、住民台帳・選挙人名簿・電話帳などで把握し、そこから無作為に選ぶことが考えられます。\n・人のつながりで: 症例の親族で健康な人、同じ町内の人、職場の同僚など、人のつながりを介して対照を集める場合もあります。\n\n4)症例群と対照群のマッチング\n症例と対照を比較できる形にするためには、両者をただ集めるのではなく、マッチングが必要です。\n交絡要因など特定の要因への暴露状況が、症例群と対照群とで同じ(マッチする)になるように、対照群を選んでいく方法が、マッチングです。\n中でも、マッチさせようとする要因(交絡要因)が同じになるように、症例と対照を対(ペア)として組み合わせて選ぶことをペアマッチングといいます。症例 1人に組み合わせる対照が、2人3人と多くなると、仮説検証の検出力が高くなります。一方、症例と対照を組み合わせるのではなく、マッチさせようとする要因の頻度や平均値が、症例群と対照群で等しくなる、を目指すのが非ペアマッチングです。\n\n5)過去の暴露情報の収集\nマッチングが終わり、症例群と対照群が設定されたら、次は情報収集です。両群について、様々な要因への曝露や背景の情報を、現在(研究開始)から過去にさかのぼって収集します。因果関係判定における「関連の時間性」を考慮し、曝露の情報は、発病以前のものを集めることが大切です。\n要因曝露や背景の情報を得る際、直接に本人に会い、面接や質問紙を介して、情報を得ることは大切です。近親者から情報を得ることもあります。既存資料からも曝露や背景の情報を得ることは可能で、過去の検診記録・診療録・入退院記録が役立ちます。\n\n6)四分表による整理\n次は四分表による比較です。症例群と対照群につき、過去にさかのぼってデータを得たら、それを四分表で整理します。これで両群の要因曝露の値を比較する準備ができました。\n\n            症例群:疾病(+)   対照群:疾病(-)\n要因曝露あり(+)      a b\n要因曝露なし(-) c d\n合計 a+c b+d\n\n\n2B 症例対照研究の演習\n\nまだ若く、健康な状態にある学生の皆さんの場合も、日常的で軽微な健康課題に着目し、それを“疾病罹患”として、症例対照研究の視点で考えることは大切です。\n\n1)疾病を決める\n花粉症、近視、虫歯、腰痛、扁平足、外反母趾・・・・、皆さんにも心当たりがないでしょうか?\nたとえばこの講義室で「偏平足」を疾病として、症例対照研究を試みてみます。\n\n2)症例群と対照群をマッチさせて選ぶ\nまず一人の「偏平足の人(症例)」を選び、その人が“女性で1年生”だったら、その症例に対応して「偏平足ではない人(対照)」を選ぶときも、“女性で1年生”を探すなど、仮説的原因以外の要因、特に「性、年齢、学年」などの交絡要因(因子)が両群で等しくなるように、マッチングを考慮して選んでいきます。\nこうして症例群「扁平足(+)30名」、対照群「偏平足(-)30名」が設定されました。\n\n3)過去の曝露情報の収集\n症例群と対照群を設定したら、両群について、過去の要因曝露を調べます。症例対照研究の場合、コホート研究のような長期間の追跡は必要ありません。既に結果としての疾病罹患が生じているので、“過去に生じた曝露”が研究の中心です。\n学生での「偏平足」の場合、それ以前、幼少期での要因曝露につき、可能性があるものを質問することになります。電車バス通学、小さな靴、過体重、体育嫌い、ペタペタ歩き・・・\n\n過去の要因曝露を調べる調査表を作成し、聴き取り調査を行います。\n\n--背景の要因---\n①年齢    ・19歳以下  ・20歳以上\n②性別    ・女      ・男\n③生活    ・自宅    ・アパート\n--幼少期の要因曝露--\n④電車バス通学     ・なし ・あり \n⑤小さな靴        ・なし ・あり\n⑥過体重         ・なし ・あり\n⑦体育嫌い       ・なし ・あり\n⑧ペタペタ歩き      ・なし ・あり\n4) 四分表による整理\n調査票を用い、症例群と対照群につき、過去にさかのぼってデータを得たら、それを四分表で整理し、両群の要因曝露の値を比較していきます。\n\n            症例群:疾病(+)   対照群:疾病(-)\n要因曝露あり(+)      a b\n要因曝露なし(-) c d\n合計 a+c b+d\n\n\n\n            症例群:偏平足(+)   対照群:偏平足(-)\nペタペタ歩き(+)      25             10 \nペタペタ歩き(-) 5    20\n合計 30         30\n\n\n3 四分表によるオッズとオッズ比の計算\n\n1)出発点としての4分表\n四分表は横断研究のクロス集計でも紹介しました。症例対照研究では以下の4分表を活用します。\n\n            症例群:疾病(+)   対照群:疾病(-)\n要因曝露Xあり(+)     a b\n要因曝露Xなし(-) c d\n合計 a+c b+d\n\n2)「要因曝露Xが起きる見込み」をオッズで表す\n症例対照研究は、過去にさかのぼり「要因曝露xが起きる見込み」を、症例群と対照群との間で比較します。\n比較するためには、まず各群での「要因曝露Xが起きる見込み」を数値化する必要があります。それがオッズです。\nオッズは「ある事象が”起きる確率”と”起きない確率”の比」と計算されます。この定義にしたがい、ある事象を「要因曝露X」として、各群のオッズを計算すると、\n症例群でのオッズ(要因曝露xが起きる見込み)=「a/(a+c) と c/(a+c) の比」=a/c、\n対照群のオッズ(要因曝露xが起きる見込み)=「b/(b+d)と d/(b+d)の比」=b/d、\nとなります。\n\n3)「要因曝露Xが起きる見込み」の相対的な差をオッズ比で表す\n先ほどの計算により、各群につき「要因曝露Xが起きる見込み」が「オッズ」として数値化されました。しかし、症例対照研究で私たちが最終的に知りたいのは、各群での「オッズ」の数値そのものではなく、症例群のオッズが対照群のオッズに比較して、どの程度、相対的に高いか低いかです。\n この比較ができる値がオッズ比(odds ratio; OR)です。「症例群のオッズ」を「対照群のオッズ」で割り算して求めます。\n\nオッズ比=「症例群のオッズ」/「対照群のオッズ」\n=(a/c) / (b/d) = ad/bc\n\n4)オッズ比の意味\nこうして得られたオッズ比(odds ratio; OR)は、相対危険(その近似値)と理解されます。途中の計算はやや複雑でしたが、最後に得られた式はad/bc と単純な形になりました。\n\nオッズ比=1の場合: 症例群と対照群で「要因曝露Xの起きる見込み」に差がない。\nオッズ比>1の場合: 症例群での「要因曝露Xの起きる見込み」は対照群よりも大きい。要因曝露Xは疾病のリスクを高めている。\nオッズ比<1の場合: 症例群での「要因曝露Xの起きる見込み」は対照群よりも低い。要因曝露Xは疾病のリスクを低くしている。(要因曝露Xは疾病を予防する効果がある)\n\n(守山正樹)","subitem_description_type":"Other"}]},"item_3_heading_17":{"attribute_name":"見出し","attribute_value_mlt":[{"subitem_heading_banner_headline":"疫学マイクロレクチャー ; epd09","subitem_heading_language":"ja"},{"subitem_heading_banner_headline":"Epidemiology micro lectures ; epd09","subitem_heading_language":"en"}]},"item_3_relation_11":{"attribute_name":"関連サイト","attribute_value_mlt":[{"subitem_relation_name":[{"subitem_relation_name_text":"疫学マイクロレクチャー(守山正樹)"}],"subitem_relation_type_id":{"subitem_relation_type_id_text":"https://epidemiology-a.blogspot.com/2016/11/case-control-study.html","subitem_relation_type_select":"URI"}}]},"item_3_rights_10":{"attribute_name":"権利","attribute_value_mlt":[{"subitem_rights":"©2016 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